.Header .description 1-07. 無限の猿定理は実験で確かめることはできない|思考実験の科学史

1-07. 無限の猿定理は実験で確かめることはできない

膨大な事象はすべて確認できない

 「無限の猿定理」は単純に言ってしまえば「何度も繰り返せばそのうち当たりが出る」と言っているのと同じです。しかし、無限の猿定理の事象が本当に起きるかどうかを確かめるには途方もない時間や途方もない数の装置を必要とするため現物実験で確かめることはできません。そのため無限の猿定理の問題は思考実験で取り組む必要があるのです。

現物実験とは

 現物実験とは一口で言えば実在する物を使った実験のことです。科学の理論や法則に基づいて条件などを変えながら現物を使って実験を行います。実験から得られたデータをもとに仮説を立てたり結論を導き出したりします。

思考実験とは

 思考実験とは実際に実験を行わず設定した前提条件をもとに理論的に導かれる現象を思考のみによって解き明かしていくことです。言い換えれば実際に実験できないことを頭の中であれこれと考えてみることです。あれこれ考えると言っても思考実験はあくまで科学の理論や法則に忠実に則って進めなければなりません。その約束が守られている限りにおいては思考実験によって従来の科学の枠を超えた新しい科学の理論を導き出すことも可能です。事実、たくさんの新しい科学の理論体系が思考実験をもとに導き出されてきました。


前ページ:1-06. 任意の文字列が打ち出される確率

前ページ 次ページ 目次

次ページ:1-08. 思考実験「重いものほど速く落下するのか」


0 件のコメント:

コメントを投稿