光の波は縦波と考えられていた
フレネルは光の干渉と回折の懸賞論文において複屈折や偏光の原理について明らかにしていませんでしたが、1816年にアラゴと複屈折の共同研究を行っています。
ホイヘンスやヤングは光の波は縦波であると考えていました。なぜなら、当時は媒質を伝わる波は縦波しかあり得ないと考えられていたからです。そのため、方向によって屈折率が異なる複屈折は光の波動説では説明できなかったのです。
光の波は横波だった
フレネルとアラゴは共同研究で複屈折で2つに分かれた光線は互いに干渉させることができないことを発見しました。そして2本の屈折光は互いに直角方向に振動する横波であると考えました。このことを知ったヤングも1817年にアラゴへの手紙の中で光の波は縦波ではなく横波であると言及しています。
フレネルは光の波が進行方向に対して様々な向きで振動する横波と考えると複屈折を説明できること、横波も媒質を伝わることができることを理論的に証明しました。そして波動説では説明が困難とされていた様々な光の振る舞いを定量的に説明することに成功したのです。
光の波の進み方や縦波や横波については第4章で説明します。
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