ヤングの実験
ヤングは1805年頃までに光が干渉して波として振る舞うことを見事に示す実験を行いました。これが有名なヤングの実験です。
ヤングの実験の装置は「光源」「穴が1つ開いた単スリット」「穴が2つ開いた複スリット」「スクリーン」からなる簡単な構造をしたものです。光源からでた光は1段目の単スリット S0 を通り回折して広がります。この単スリットは光源から一筋の光線を取り出して、複スリットに同じ条件の光を導入する働きをします。単スリットS 0 を出た光は2段目の複スリット S 1 を通ります。この複スリットは先の水槽の装置で2つの波紋を生じさせる仕掛けと同様な役割をします。複スリット S 1 を通った2つの光はそれぞれ回折して広がり互いに干渉します。光が波であるならばスクリーンには明暗が繰り返された干渉縞が映し出されるはずです。
ヤングの実験の原理は理解されなかった
ヤングが実験装置に光を通すとスクリーンに干渉縞が映し出されました。ヤングの実験は非常に明快かつ簡単なものであり、反論の余地はありませんでした。ヤングの実験の成功は光の波動説の勝利を意味していましたが、残念ながら多くの科学者たちは直ちにその結果を受け入れることはしませんでした。
その理由はヤングがこの実験の原理について詳細に説明しなかったことが原因と言われています。考えられています。ヤングはすべてを理解していましたが、多くの科学者はヤングが何を言わんとしているのかよく理解できなかったのです。
またヤングは干渉の原理は自分が発見したにも関わらず、そのことを強く主張しませんでした。ニュートンの権威に遠慮した面もあり干渉の原理は昔から知られていた現象であるというような話をすることもあったようです。そのようなヤングの姿勢もあって光の波動説は証明されたにも関わらずその後もくすぶった状態が続きました。
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