万物の根源は水である
ミレトス派のタレスは私たちの身の回りに存在するすべてのものは水が姿を変えたものであると考え、万物の根源は水であると唱えました。すべてのものは水から生まれ、そして滅ぶと水に返っていくと考えたのです。
タレスが万物の根源を水とした理由は水が液体・気体(水蒸気)・固体(氷)とその姿を柔軟に変えることができ、また水が生命にとって必要不可欠なものだったからです。世界は水のように生命に欠かすことのできない流動的なものでできていると考えたのです。
万物の根源の探究が自然哲学を生み出した
タレスの弟子のアナクシマンドロスは万物の根源のことをアルケーと名付けました。そしてアルケーは実体的な物質ではないと考え無限なものト・アペイロンであると唱えました。ト・アペイロンは、変化することがなく常に新しい物質を生みだし続けるものです。そのアナクシマンドロスの弟子のアナクシメネスはアルケーは空気(息)であると唱えています。
このようにタレスを始めとするミレトス学派の哲学者たちが唱えた万物の根源は多様でしたが、彼らが自然哲学の誕生に果たした重要な役割は「万物の根源は何か」という問いそのものを導き出したことに他なりません。
彼らは物質が何からできているかについて、神学的でもなく、宗教的でもない、誰にでも合理的に説明することが可能な真理は何かという視点で答えを探究したのです。
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