ガリレオは落雷から光速は有限と考えた
イタリアのガリレオ・ガリレイは空に稲光が輝いて落雷したとき、稲妻の始点と終点を確認できることから光速は無限大ではないと考えました。稲妻の速さは放電の速さですから、この現象から光速が有限か無限かはわからないのですが、ガリレオは当時の科学的知見から鋭い観察力で光速は有限である主張し世界で初めて光速を測定する方法を考えました。
ガリレイは1638年に出版した「新科学対話」で、光速が有限であるという考えを示し、その測定方法を提案しています。
ガリレオはこの著書で遠くの大砲が発射したとき閃光が瞬時で目に届くのに対して音が遅れて耳に届く現象に着目しています。そして、この日常よく経験する現象から言えることは音が光より時間を要して伝わることだけであり、光が空間を瞬時に伝わるのか、非常に速いにしてもある時間を要して伝わるのかはわからないと記しています。
ガリレオが提案した光速の測定方法
ガリレオは光速を測定する実験として、次の図のように遠く離れた2つの山の頂にそれぞれ人を立たせ、一方が光を送ったら、他方がすぐに光を送り返すという方法を示しました。光速が有限であるならば、2人の間の距離を長くしていくと、光が往復する時間も長くなるので、光速を求めることができると考えたのです。
しかし、ガリレオは光があまりにも速すぎてとてもこの方法では光速を測定することはできないと結論づけています。
人間の感覚に頼ったガリレオの光速の測定方法は原始的でしたが、光速を測定するためには光を往復させて距離を長くする必要があるという点では的を射ていたと言えるでしょう。
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